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続:焼き直し#2|目のくま|医師 百澤明ブログ

投稿日: 最終更新日: 2017-04-13 目のくま

全くブログを更新しておりませんでした。
“忙しくて”というのは単なるいいわけにすぎませんね。

あきれますが、
やはり、みて下さっている方はいらっしゃるようで、たびたび続きがありませんねと言われますので、頑張って続きをいきます。

以下に、過去のブログ原稿から引用し最近の知見に改訂していきます。

では、今回より私の下眼瞼除皺術のコンセプトについて説明していきます。

ハムラ法という呼称について

私見を述べたいと思います。

現在、日本では下眼瞼の除皺術においてハムラ法と呼ばれる方法が大変有名であります。しかし、当のSam T. Hamra先生はこのような呼ばれ方、用いられ方をするとは、思ってもいなかったであろうと思います。
というのは、
1995年ダラス(Dallas)のSam T. Hamra先生は、内側から外側までの全長にわたり、眼窩脂肪を引き出し、眼窩下縁に移行し固定する方法を報告しました。これが、本邦(日本)でいうところのハムラ法です。しかし、本術式はcomposit rhytidectomyの中での中顔面の若返りの一部分として報告されたのであって、単独で下眼瞼の若返り法として報告されたものではありません。したがって、このSam T. Hamra先生の報告の一部をとってハムラ法と呼ぶのは、Sam T. Hamra先生の意思には反しているとも考えられ、私は、本当は正しくないと思います。

しかしながら、実際には一般世間のみならず、医者の間でもハムラ法と呼び合っています。したがって、日本では、ハムラ法で便宜上通用するといえます。

そこで、私が思うには、日本での“ハムラ法”の定義は、
1) 皮膚を睫毛下で切開、切除する。
2) 眼窩脂肪を内側から外側まで引き出し、眼窩下縁に移行し固定する。
3) 眼輪筋を外眼角部に引き上げ固定する。
などを、行う方法のことをさすと思われます。

しかし、私が数年前に形成外科学会で発表した際には、“経結膜的眼窩脂肪移動術”と呼び発表しましたが、ある大御所の先生に、「つまり経結膜のハムラ法ですね」といわれました。
とすると、つまり、皮膚切開でなくともハムラ法と呼んでしまうということは、2) の“眼窩脂肪を内側から外側まで引き出し、眼窩下縁に移行し固定する”をハムラ法と呼んでいることになってしまいます。これは、本当は正しくありません。正しくは、経結膜で行うハムラ法みたいな方法でしょうか??
しかし、実際には、“眼窩脂肪を引き出し眼窩下縁に固定する操作”がハムラ法の特徴であり、この操作自体がハムラ法と呼ばれる傾向があり、用語の混同を招いているわけです。

以上、日本でいうハムラ法とは、
“皮膚を切開して、眼輪筋形成、皮膚切除も行う方法”をさすといっていいでしょう。
私が、主に行っているのは“経結膜的眼窩脂肪移動術”であって、ハムラ法というのは本来正しくありません。

いつの間にか、ネット上では“裏ハムラ”と呼ばれるようになって、うまいこというなあと、思いもしましたが、少し誤解を呼ぶ呼び方なので、注意が必要です。
私が、採用している経結膜アプローチの眼窩脂肪移動は、欧米ではGoldberg法と呼ばれています。しかし、いまさら、それを一般化するのは難しいと思います。

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