X(旧twitter)まとめ【裏ハムラ法の合併症について 】|Twitterアーカイブ|医師 百澤明ブログ
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『裏ハムラ法の合併症について』
裏ハムラ法を検討している方に知っておいていただきたい合併症について私の経験から述べます。
下眼瞼の手術で最も多い合併症で、美容外科医がまず第一に注意するのは、下眼瞼の外反と三白眼です。 表ハムラや定型的下眼瞼除皺術には比較的多く見られ、脱脂と裏ハムラには少ないといわれています。
しかし、最も注意しなければならない合併症は複視です。 これは、外眼筋の損傷や動眼神経麻痺、眼位の変化などによって生じます。 この合併症は、眼窩内を操作する手術ではどんな手術でも生じ得ます。
われわれ形成外科医は、眼窩底骨折(眼窩吹き抜け骨折)の治療の際に眼窩内側壁や下壁を修復しますが、手術の際に外眼筋などに対する侵襲が大きくなると複視を生じることがあり、常日頃注意している合併症です。眼窩内を操作するという点では、美容外科の手術手技である眼窩脂肪切除(脱脂)、表ハムラ、裏ハムラはすべて同じです。 私は、脱脂でも表ハムラでも裏ハムラでも必ず直視下に目視で下斜筋を確認しています。盲目的に眼窩内を操作するようなことは決してしてはいけないことです。
ちなみに私自身、3日以上続く複視のケースを数人経験しましたが、2週間以内に完全に治ることがほとんどです。 脱脂で失明するケースもありますから、裏ハムラが他の術式に比べて特に危険ということはありませんので、過度な心配はいらないと思います。