Vital Injector|肌の手術|院長 内浦康信ブログ
投稿日: 肌の手術
2週間経ってしまいましたが前回の続きです。
非常に不定期なブログもお読みくださる患者様がいらっしゃるので感謝しております。
特にM・Yさんいつもありがとうございます。
さて、Vital Injectorです。
この機械は先端を皮膚にあてると少し皮膚をバキュームし持ち上げます。
上の図のオレンジの矢印がバキュームされる空気の流れです。
皮膚が持ち上がりピンと張った状態になると自動で5本の細い針が刺されます。
この時刺す針の深さをかなり細かく設定できます。
痛みに関してですが、皮膚をバキュームしそこに針を刺すので痛みはかなり少ないです。
場所によっては全く痛みを感じない方もいるかと思います。
とはいえ完全に無痛ではないので、麻酔クリームとアイスパックの併用で出来るだけ痛みは取り除くようにしております。
5本の針で注入していくので治療もスピーディで、注入する針の深さや注入する薬の量、注入するスピードも自由に設定できるのでとても良い機械です。
ただし1回の注入で5本の針が皮膚に刺さる事になりそれを頬全体ですと70~80回行うのでどうしても針痕が多くなります。
それぞれからわずかですが点状に出血があるので内出血にならないようしっかりと押さえながら治療をする必要があり、僕が打ち、看護師が打ったそばから押さえていくというのを繰り返しながら治療を進めていきます。
看護師の手が空いている場合は看護師2人がかりで注入部を押さえながら行うこともあります。
また、針のキレがだんだん悪くなるので途中で針を変えながら行う事により痛みも軽減しますし、キレの良い針の方が設定どおりの深さに針が打たれることになるので針代のコストはかかりますが(正直針はかなり高価です)治療途中での交換を必ずしております。
粘度の高い薬剤の場合スムーズに注入されずかなりの量がバキュームされてしまい、設定量が皮膚に入っていない事になってしまいます。(特に浅目に注入設定している時に顕著です。深い場合はちゃんと注入されます。)
薬剤が入らないという事は当然治療効果が落ちますので、UPGRADEやNCTF135HAは何かしら別の薬剤(プラセンタやビタミンC溶液、ボトックス、麻酔液など)を混ぜ粘度を少し落とすとスムーズに注入され良い結果が出ます(混ぜた薬剤の効果もプラスされますので一石二鳥です)。
さて、以上のようなVital Injector、普通に手で打つのとどちらが良いかですが、痛みに関しては機械の勝ち、治療時間は手打ちの勝ち、針痕の少なさは手打ちの勝ち、でも均等性は機械の勝ちとどちらも一長一短かと思います。
効果の感じ方も人それぞれですのでどちらも経験して頂き良いと感じる方を選んで頂いたり、機械打ちと手打ちの併用、例えばアゴから頬は機械打ちで目の周りは手打ちなどいろいろ工夫しております。
今のところどちらも経験された患者様は機械を選ばれる事が多いような。
手打ちが負けるのは多少なりとも手先の器用さに自信が有る者としては少々複雑な気持ちでありますがそれだけ機械が優れているということですね。